転職活動を始める前に。転職・退局はまだするな!!〜転職・退局で失敗しないための21ヶ条

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転職活動を始める前に必ず!知っておくべきこと

NO.4 医療機関側が医師を採用するポイントとは?

先日ある医療系の出版社が民間病院に向けてこのような質問(=アンケート)をされました。

「医師の採用にあたって病院が重視する点は何ですか?」

(1)コミュニケーション能力
(2)技術
(3)人間性
(4)診療科目
(5)専門医・認定医等の資格
(6)臨床経験

・・・それ以外の回答もありますが、ここでは省きます

皆様は何だと思われますか?

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答えは圧倒的に(3)
人間性 」です。

医療機関側が医師を採用するポイント
「人間性」と言ってもその言葉自体非常にあいまいで難しい表現ですが、筆者なりに解釈すると、『一般的な社会常識を踏まえ、独りよがりではなく、患者やスタッフの方との信頼関係を築ける方』だと思います。
ちなみに「人間性」より以下の順位を申し上げると
2.技術、3.診療科目、4.コミュニケーション能力、5.臨床経験、6.専門医・認定医等の資格・・・となっています。

ではなぜこれほどまでに医師の「人間性」が求められているのか?ということですが、時代の変化により医師や病院が患者にとって絶対的な存在ではなく、患者さんに選ばれる存在に近づいてきたことが一因であるように感じられます。そしてその病院の評価が、医師の「人間性」の評価と密接に結びつくようになったのではないでしょうか。

この傾向は特に民間病院において顕著であり、我々も日々病院の採用担当者とお話する中で、まず「人間性」ということをどの方もおっしゃいます。もちろん皆様の中でも医局に属され、大学の医局ではそうではないと感じる方もいらっしゃるとは思いますが、もし医局を飛び出し民間病院への転職を考えられている方は、専門医や経験年数といった条件よりまず「人間性」が求められているということを認識していただければと思います。

NO.5 面接はお見合いのようなもの

この小冊子を読まれている皆様の中には転職活動をするのが、今までの人生で初めてだとおっしゃる方も多いと思います。我々もいろいろな医師のカウンセリングや面接(面談)に立ち会っておりますが、医師の中には、今まであまり経験したことがない面接に対して非常に緊張される方がいらっしゃいます。
何を隠そう筆者も転職は2回経験しているのですが、はじめての転職活動の時の面接は非常に緊張した思い出があります。そこで今回は実際の面接というものがどういうものかというのを皆様にお伝えしたいと思います。

普通「面接」というと面接官が一方的に求職者に向かって質問攻めをするという印象が強いですが、最近は一般企業でも「面接」より「面談」という言い方が増えてきました。
これは「面談」と言う形を取ることで、求職者と求人が自由に会話をすることが出来、それにより本音に近い形で両者を知ることができるというメリットによるところが多いからだと思います。

では医師の転職現場ではどうか?医療の業界というのはよく遅れているということを耳にしますが、この分野では非常に時代にあっており、昔から医師の転職については、基本的に「面談」形式を取る場合が多いようです。これは長らく医師不足の時代が続いており、求人側が一般企業のように求職者に対し、あまり優位に立てないという事情もあると思います。

つまり医師の転職における「面接」は「面談」であり、それは両者がざっくばらんに自分の紹介やPRを行う、いわばお見合いに似たシステムとなっています(ちなみに紹介会社は両者を引き合わせる仲人のようなものです)。
ではそういった面談(=お見合いの席)ではどのようなことに気をつければよいのか?ということですが、一番大切なのは、お互いに好意を持って話すことだと思います。
(初対面では第一印象が大事と言いますし・・・)

すなわち相手に嫌な印象を持たれないような話し方や内容を選択することが必要です。
面接を受ける側については例えば・・・

●相手の話や説明をよく聞く
●年棒の話などは最初のうちは控える
●履歴書の文字は相手に読みやすいように丁寧に書く
●質問にはハキハキと笑顔で答える
●何かしら病院の良いところを見つけ誉める

心理学で言うと好意の互恵効果というのがあるようですが、自分が相手に対して好意的な感情があると、相手も自分に対して好意を感じるというものです。

面談において相手に自分の印象を良くしておくと、面談が終わった後ぜひもう一度会いたいと思って頂きやすいですし、そのことにより即採用ということも少なくありません。また我々紹介会社としても面接で求人側に良い印象を与えれば、条件交渉もやりやすくなります。

ぜひ皆さんも「面談」においては相手に好感を持たれる対応をしていただければと思います。

NO.6 求人や人材紹介会社を選ぶ姿勢を持つ

面接(=面談)というのは、一種のお見合いであるということはご認識いただいたと思いますが、その目的として一番大切なのは「 お互いをよく知る 」ということにつきると思います。

面接と言えば、求職者側が完全に受身になるようなイメージをお持ちになると思いますが、面談の受け答えの場ではともかく、求職者としては、ご自分でその病院をチェックする姿勢も大切です(病院に一歩踏み入れた時からお見合いは始まっています)。

例えば

●受付での対応は良いか?
●患者(外来、入院)の数はどうか?
●院長(=理事長)は自分の話をよく聞いてくれる方か?
●勤務されている医師の年齢層はどうか?
●看護師やスタッフはきびきびと勤務しているか?

最近は病院でも色々患者さんや職員に対するサービスが見直され、特徴のあるところが出てきています。また病院自体にも独特の慣習や文化があり、扉を明けたとたんスタッフの活気に満ちた空気を感じたり、求人側との話でここで働きたいという強い気持ちが生まれることもあります。一方職員や求人担当の方の雰囲気が暗く、なんとなく職員全員に元気がないと感じられる時もあると思います。
自分が今後入職し、最低3年、長ければ今後の人生をかける病院であれば、条件交渉だけするのではなく、病院の雰囲気や担当者とのやり取りの中で、本当にここで働いていけるかということを、常にチェックする必要があるでしょう。

条件が良かったからと入職を決めたが、院長や病院スタッフとソリが合わず、数ヵ月後にはまた転職活動をしなければならないとしたら、とても残念です。

面談の日取りが決まったら、履歴書を書いてただ認められようとするのではなく、自分がどういう基準で転職先を決定するのか?そのためにはどういうところを当日チェックしたら良いのかというのをシュミレーションした上で、面談に臨んでいただければよりベターな結果が得られると思います。

また今転職活動で人材紹介会社をすでにお使いの方、これから登録しようと思われている方は求人を選ぶのと同じようにその紹介会社についてもそのサービスを選ぶ目を持つことは必要です。

NO.7  「人材紹介会社って何?」 を読む