転職活動をより効果的に。転職・退局はまだするな!!〜転職・退局で失敗しないための21ヶ条

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転職活動をより効果的に進めるために

NO.12 転職活動は慎重に

さて今回からは少し話題を移しまして医師の皆様が「転職活動をより効果的に進めるために」役立つようなお話をさせていただこうと思います。

まずは「 転職活動は慎重に 」ということです。

転職活動というのは当然のことながら、基本的に誰にも相談せず、水面下で活動することが大切です(家族や人材紹介会社などは別です)。

もちろん何らかの生活スタイルの変化が決まっている(結婚、ご実家を継がれる・・・など)場合は、やめる理由が大義名分化されているので、職場の方にばれてもそれほど影響はないと思いますが、それでも転職活動をされるのを周りの方は快くは見てくれません。

転職活動は慎重に
先日当社に登録していただいた医師のお話です。その方はクリニックの院長(いわゆる雇われ院長というものです)をやっておられ、職場に少し不満があり仕事中にある求人(=病院)と話をしていたそうです。その方は声が大きいこともあり、その電話の話の内容がクリニックの理事長に耳に入り、他の院長候補が見つかった時点で、結局病院側から事情を説明され、退職を勧められたとのことでした。

もともとその院長も近いうちに辞めたいとは思っておられたようなのですが、それでもあまり聞こえのいい話ではありません。特にこの狭い医療界であれば、その医師に悪いレッテルが貼られてもおかしくありません。

我々のような人材紹介会社もそのあたりは慎重にさせていただいてはいますが(職場に人材紹介会社から電話するようなことは原則としてありません)、それでも最近は時間を問わずメールなどで頻繁に連絡を差し上げることは実際問題として多くなっております。

当社としては出来るだけ先生方にはプライベートな時間の中で転職活動を行っていただきたいとは思いますが、ただでさえ忙しい医師の方は仕事中でもメールなどで返信をしていただくこともあります。もちろんそれによりスピーディーにマッチングが出来るので当社としてはありがたいのですが・・・。
それでもそのやり取りが他のスタッフの方にまだ何も話していないうちにバレてしまうのは、病院としてはいろんな意味でよくないと思います。

特にメールについては求職者、求人にとっては本当に便利なツールとはなっていますが、ぜひその使い方については注意をしていただきたいと思います。

(1)少なくとも職場でメール受信、送信をする時はその画面を残したままにしない
(2)医局や病院の個人アドレスはなるべく使わない(ヤフーやニフティなどのメールアドレスを使用する)
(3)なるべくご自宅などのパソコンを利用する

職場で転職活動をするスタッフを横で見るのは非常につらいものです。職場の雰囲気を崩さないためにも、転職活動をする時は周りに細心の注意をしていただいた上で、行っていただきたいと思います。

NO.13 家族の了解を得る

当社にご相談いただく医師の中心は30代前半から〜40代後半くらいまでの方のため、転職はご家族のライフスタイルにも多大な影響を及ぼすことが多いようです。

家族の了解を得る
当然のことながら転職に際し、勤務地や給与、住居の条件などは変わってきます。特に結婚されている方に関しては、ご夫妻、ご子息の将来に関わってくる問題であり、そのあたりをよく考えた上で決断しなければなりません。
「転職は慎重に」するべきですが、家族は例外です。転職を決めたらまずはご家族とよく相談して今後のキャリアの方向性をご一緒に考えていただければと思います。

これはよくあることなのですが、旦那さん(=医師)と奥様(=専業主婦)では全く価値観が違うことがあり、転職先を決める上で、二人の間で優先順位が大きくズレる場合があります。

例えば、旦那さんは当直が少ない、少しゆとりがある生活がしたいというのが転職の第一条件であったとしても、奥様は家庭のことを考え勤務地や年収に非常にこだわられるといった場合です。

当社としても医師の方と面談し、お聞きした優先度の高い条件順に求人を紹介しても、「奥様の条件が合わない」という理由でNGになるケースも多くあります。

先日もある医師が相談に来られたのですが、出していただいた条件を勘案し、可能性がありそうなところを十数病院ならべて検討していただきましたが、奥様との意見が合わないようで、結局結論は出ませんでした。このような傾向が続くと、当社としても求人を紹介するモチベーションは下がりますし、医師の方も決断のタイミングを逃してしまうおそれがあります。

「転職は計画的に」、特にご家族(奥様)には優先順位などで了解を得てから、活動を効率的に進めていただきたいと思います(このあたりをしっかりしておかないと入職後夫婦げんかの元になったりもします)。

特に奥様の尻に敷かれ気味の男性の医師の方は要注意です。

紹介会社にご相談される場合も一度家族間の意見の統一がなされているか確認し、その上で求人の紹介を受けることが、転職成功への早道だと思います。

NO.14 円満退社(退局)のルール

よりよい転職をするためには、今の職場を円満退社することが大事です。医療業界は特に狭いところでもあり、うわさは広まりやすい構造となっているため、何かトラブルを起こして処理をしないでおくと、転職先でもそのうわさが尾びれを付けて自分に周ってくる可能性もあります。
どんなに今の職場が嫌であっても退職の際は大人の対応を心がけましょう。

そこで円満退職をするためのポイントを3つ上げますと、

(1)退職する意思を初めに報告するのは必ず直属の上司とする
(2)退職することについては、前向きな理由を述べる
(3)退職については十分なスケジュールを立て余裕をもって行動する

それぞれの重要性について述べますと、
(1)については、自分の上司を立てるということが重要となります。というのは例えば、自分の上司が他の人からあなたの退職の話を聞いたとしたら非常に不愉快になると思いますし、また周りから見るとその上司の管理能力を疑われることにもつながります。

(2)については、どんな上司も後ろ向きな理由での退職は歓迎しません。病院の不平、不満をのべた上での退職は送る方の立場としてはつらいものです。退職理由については個人的な理由(開業医を目指す、レベルアップを図る)が退職をする時の鉄則です。

(3)については、就業規則などを確認した上で、余裕を持ったスケジュールを組むことが必要です。病院にとってはあなたの退職後の代わりの先生を見つけなければならないという新たな職務も出来ますし、今勤務されている周りの先生との引継ぎが発生する場合もあると思います。退職するということは周りのスタッフに迷惑をかけるということを考え、その迷惑を最小限にするためにも余裕を持った退職スケジュールを立てることが重要です。

退職に際しては、今の職場の人たちに感謝をし、自分のこれからの人生を応援していただけるような雰囲気に持っていければベストです。

ぜひ転職をお決めになられた時は今以上に周りのスタッフとのコミュニケーションを大切にし、円満な退職をしていただければと思います。

なお医局を辞められる先生については、個々の医局のご事情もありより慎重に進めていくことが必要です。当社では退局の仕方についてのアドバイスも積極的に行っておりますので、ぜひ一度ご相談下さい。

NO.15 複数の病院に内定をもらったら

医師不足が全国的に叫ばれている今、医師の転職市場においては、長い間売り手市場が続いています。高望みや条件をあまり気にしなければ医師の就職先は何かしらあるのが現実です。そういった意味では医師の方はほんとに恵まれているなぁと思うのですが、逆に大変やっかいな事態も発生します。それは面談を受けた複数の病院から内定が出てしまうということです。

当然のことながら複数の医療機関にまたがって勤務することは常勤の場合無理ですから、いくつかの候補先から、自分の転職先を1つに絞らなければならないことになります。

もちろん自分の移りたい病院が明確に最初からあり、そこで内定をもらった際は何の迷いもなく、契約に速やかに移れる訳ですが、同じような条件で複数病院から内定が出た場合はそのうちどこを選ぶか非常に迷われることと思います。

医師の中にはとりあえず内定を取れるだけとっておいて、後から考えようという方もいらっしゃいますが、それは後で混乱を招く結果になりかねません。

そこで複数病院から内定をもらった時のアドバイスを筆者からさせていただきたいと思います。

●まず内定の返事をいつまで病院側が待てるかを確認する
→期限を設けずに先に伸ばすのは病院からの信頼性を損ねかねません

●ご自身が最初に考えられた転職における優先順位(勤務地、働きやすさ、給与など)を参考に、内定を受けた病院で順位を付ける
→頭の中だけで考えず、一つ一つ理由付けをすることが必要です

●内定を受けた病院の希望の順番が決まらない場合は、人材紹介会社の担当者などに事情を説明し、細かな条件の変更(給与アップ、赴任手当てなどの充実)の可能性を探る
→提出された求人票、あるいは雇用条件書がすべてではありません。正式な契約にいたるまでは条件交渉は可能です

当社に登録していただいている先生の中でも複数の病院の内定を取りながら、決め手がなく結局転職の重要な機会を逃したという方がいらっしゃいました。

病院との面談(見学を含む)をする場合は、ただ受けに行くというスタンスではなく、今後内定をもらってからのことを想定し、他の希望先との調整をしていただければと思います。

NO.16 「転職活動はいつから始める」 を読む